第47章

島宮奈々未は心臓が激しく鼓動し、咄嗟に相手の首に腕を回していた。

目の前の顔をはっきりと認識した瞬間、島宮奈々未は魂が抜け出しそうになった。

「に、丹羽若さん?」

丹羽光世の顔の傷跡の仮面は誰が見ても驚くものだが、まして不意打ちならなおさらだ。

「島宮さんも随分と積極的だね、こんな風に抱きついてくるなんて?」丹羽光世は薄い唇を軽く上げ、妖艶な笑みを浮かべた。

島宮奈々未は気持ちを落ち着かせ、急いで手を離し、丹羽光世の腕から身を起こした。

「丹羽若さんはここで何をしているんですか?」

島宮奈々未の声は冷たかった。明らかに怒っている。彼が彼女を引っ張ったのに、どうして逆に彼女が抱き...

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